2016年度第6単位振り返り

本単位では、「アメリカにおける先進国型ものづくりのあり方とは?」をテーマに考察しました。

11月14日(月)

■ブリーフィング:
①「アメリカ社会全体における経済、政治、文化、産業の兆候及び潮流について」
北米三菱商事シアトル支店長 川添 眞一郎氏
②「シアトルにおける製造業の特徴について」
東レ・コンポジット(アメリカ)社 小田切 信之氏

北米三菱商事シアトル支店長川添様、東レ・コンポジット小田切様によりブリーフィングを行っていただきました。
川添様には、現在のアメリカが成立した文化的背景から、昨今の経済や産業の潮流に至るまで簡潔にお話しいただきました。奇しくも大統領選直後の激動のアメリカを訪問することになりましたが、各地視察の下地を作ることができました。
また、小田切様には自社の炭素繊維、航空産業を切り口にシアトルにおける製造業をテーマにお話しいただきました。
東レの炭素繊維はシェア50%を超え、全体のシェア約70%を日本企業が製造しています。ボーイングがシアトルに尾翼工場を造ったことに応じて、東レコンポジット社もシアトルに拠点を構える等、川添氏のブリーフィング内にて触れられていた「海外からの潤沢な投資がアメリカの産業を発展させた」という言葉とともに、翌日にボーイングを見る際の参考になったようです。「訪米が初めてだったので、イメージが湧いた」という声が受講者からは上がっていました。

■シアトル市内視察

共同テーマ研究のグループに分かれて、市内視察を行いました。
スターバックス1号店、歴史産業博物館等を視察し、シアトルの歴史や文化について触れました。 

11月15日(火)

■企業訪問:ボーイング社 エバレット工場

ボーイング社エバレット工場を訪問しました。
ボーイング社は、今年で創業100周年をむかえ、売上総額10兆円、総従業員数16万人、業界シェア約60%というアメリカのみならず全世界に多大な影響力をもつ企業です。
民間航空機部門、防衛・宇宙・セキュリティ部門、ボーイング・キャピタル・コーポレーションの3事業から構成されており、当コースが訪問したエバレット工場は、1968年に竣工した世界最大の工場です。
エバレット工場単体で43,000人の従業員を抱え、敷地内に病院や託児所、クリーニング、ビデオレンタル等の施設も完備しています。現在は、747,767,777,787の4種類の航空機の製造、保守を行っています。
当日は概要説明後、専門ガイド同行のもと1時間半程度の時間をかけて工場内を見学しました。
膨大な数の部品、サプライヤーが関係する組立工場にて、多くの日本企業の部品が使われていること、TPS方式の導入など日本のものづくりとの関係性もある一方で、同社の市場独占力ゆえのリードタイムの考え方等日本のものづくりとの差異もあり、「アメリカの生々しい製造現場を見ることができよかった」等の感想が上がっています。

■企業訪問:JAMCO America社

ボーイング社のNo.1サプライヤーに選出されている、JAMCO America社を訪問し、CEOによる企業説明及び質疑応答、工場見学を行いました。
同社は売上915億円従業員数1,300名(単体)、航空機および航空機器の整備、製造、内装品を3つの柱としています。
ボーイング社のNo.1サプライヤーに選ばれた背景には、ボーイングエバレット工場に隣接し、ボーイングのjust in timeに応える生産を可能としていることがあります。
質疑応答の中では、「日米の大きな違いとしてアメリカは100%のものをつくること(要求以上は応えない)に注力するが、日本は過剰品質のきらいがある」という意見も上がっていました。午前中のボーイングとあわせて見学することで、巨大産業とそのサプライヤーの関係、アメリカならではのものづくりといったことを感じ取ることができました。

11月16日(水)

■企業訪問:Gilead sciences社

15日にシアトルよりサンフランシスコへ移動し、Gilead sciences社を訪問しました。
同社は、1987年に創業した製薬会社で、HIVやC型肝炎、伝染病に対する特効薬を主力製品としており、日本ではJTとのパートナーシップを結んでいます。
当日は、CEOによる企業概略説明と質疑応答の時間が設けられました。
受講者からは、「社会に求められ、且つ合理的な経営理念と、絞り込んだ事業領域への集中、優れた人財が成功のキーと感じた。」、「戦略として、得意分野に特化する手法に共感を覚えた。」という声が上がっていました。

■企業訪問:Cisco Systems社

ネットワークシステムの販売やサービスを提供しているガリバー企業であるCisco Systems社を訪問しました。
同社は1984年に創業し現在に至るまで、IoTの展開を進める上で重要なネットワークインフラ構築へ対応するための商品を提供しており、アメリカにおけるIoTの中核を担う機関、Industrial Internet Consortium(IIC) 参画企業の一つでもあります。
当日は、
・Ciscoが進めるデジタル戦略支援ついて
・工場におけるデジタライゼーションについて
・デモスペースにて製品デモ
・IICの概要について
という4時間以上にもわたる濃密な講演と活発な質疑応答が繰り広げられました。
受講者からは、「地球、宇宙レベルの視点でのIoTの意義を勉強することができた。若干宣伝の色と誇張を感じたが、これも米国らしい。」、「ドイツと違って、民間が主導してこの先どうしていきたいかを実践している。日本はどっちつかずで中途半端な感じがした。
工場のデジタル化は欧米のほうが進んでいるようだが、逆に、日本で導入すれば、現場力と合せて生産力が向上するのではないか。」といった声が上がっていました。

11月17日(木)

■特別講演
Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley 社
講演  :Saijo Hiro(西城 洋志)様
タイトル:「原点回帰:ヤマハ発動機における新規事業開発のご紹介」

4日目は、Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley 社の西城氏に出講いただきました。
当日は、「日本の弱みと強みについて聞きたい」という受講者のリクエストもあり、何故ヤマハ発動機がシリコンバレーで新規事業をするのか、日本とシリコンバレーの違いは何かといったことを軸に講演をいただきました。
「失敗しないことを成功」とみなす日本と、失敗を徹底的に分解しスピード感を以て次々と新たなことへと挑戦していくシリコンバレーの違いは、日本人には能力があっても実行力がないこと、そうした状態が続く結果新たな事業が育つ土壌が痩せていってしまうこと等熱量ある語り口で講演頂きました。
「シリコンバレーとはどのようなところかが、とてもわかりやすくい講話だった。西城氏の圧倒的なパワーを感じた。」、「大変刺激になった、現地でご苦労や野望についてOpenな説明であった」といった声が上がっていました。

■企業訪問
SAP社

同社は、従業員数8.3万人、時価総額11兆円でドイツ1位の歴史ある企業です。
シリコンバレーにおけるテクノロジー企業の従業員規模ランキングに、シリコンバレー生まれでない企業として唯一ランクインしています。
約5年前からデザイン思考を経営に取り入れ、5年間で売り上げ、企業風土共に大きく変革を遂げました。
当日は、当地唯一の日本人社員である小松原氏により、シリコンバレーにおけるデザイン思考の導入事例と、SAPの取組について講演頂きました。
デザイン思考とは、天才の考え方をプラットフォームとして落とし込む方法論であり、激動の世にあふれる課題に対して「正しい答えを考えること」ではなく「問がそもそも正しいのか?という視点を持つこと」の重要性を話していただきました。
受講生からは、「シリコンバレーでの動き考え方非常に勉強になった、隔世感はあるもののここから世界の流れが起きている事は確かである」という声が上がっていました。

■施設訪問
Timbuk2

Timbuk2は1989年、サンフランシスコで生まれたメッセンジャーバッグのブランドです。アメリカ市場で高いシェアを誇り、新素材や機能を搭載した、男女兼用のファッション感度の高い商品を展開しています。同社は、1990年代から世界でもいち早く自社システムを用い、1個ずつの受注生産マスカスタマイゼーションに取り組んでいます。
当日は、営業部門マネージャー、CEO、製造部門マネージャーによる案内のもと、ショップと工場、オフィス内見学が行われました。
同社はカスタマイズ生産を最初に始めた会社であり、来店個客であればオーダー当日に、海外からのオーダーで2-3週間程度、1,000個でも4-6週間で生産対応ができ、最低発注単位が1であることなどが大きな特徴です。
「受注確定生産の究極としての事例として大変興味深いものがあった、規模と製品の特長から実現できており、実際の所今後の成長で課題が沢山出てくるだろう」「マスカスタマイズの目つきが斬新。ブルーオーシャンの一例か。」といった声が上がっていました。

【企画担当】
一般社団法人日本能率協会 JMI生産・開発マネジメントコース担当 勝田・平井
TEL:03-3434-1410 FAX:03-3434-3593
E-mail:Kentaro_Katsuda@jma.or.jp Nozomi_Hirai@jma.or.jp

お問い合わせはこちらから
サブコンテンツ
CPE 生産技術者マネジメント資格 CPF 第一線監督者マネジメント資格 CPP 購買・調達資格公式サイト ものづくりポータルサイト ものづくりのためのJMAオンラインセミナー JMA GENBA Management Conference & Award 第一線監督者の集い GOOD FACTORY賞 受賞記念講演会 ものづくり総合大会 生産革新プロフェッショナルコース ものづくり人材育成ソリューション JMA海外体験型研修プログラムJ-EXCEED

教育・研修に関するご相談は、お気軽にお問合せください。

03-3434-1410受付時間 平日9:00 - 17:00
お問合せ

このページの先頭へ