ドイツ合宿特別インタビューその6|日本のデジタル化、どこが音頭をとる?

日本企業の脅威になるというよりは、日本にとっての脅威ですね。
ドイツは確実にそうなってきます。


JMI生産・開発マネジメントコースの海外合宿にてファシリテータを務められた
JMAコンサルティングの松田将寿さん(経営コンサルティングカンパニー 経営構造転換センター
センター長 シニア・コンサルタント)から
ドイツ視察について感じたことをお話しいただきました。

日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)

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日本のデジタル化、どこが音頭をとる?

中川
個々の企業は強いけれど、それをつなげる力がドイツと比べると強くないということですね。

松田
個々の企業が強くても、今はどんどんいろいろな情報がつながってくる時代ですから、企業単体で勝負できるところと、できないところが出てきたのではないでしょうか。

単体で勝負できないところは、弱くなってしまうように感じます。

中小企業をうまく使うのだったら、インダストリー4.0のように、ペーパーレスというキーワードで中小企業もネットワーク化し、デジタルで情報をやり取りする取り組みが欠かせないでしょう。

それは日本のどこがメーンになって推進するのか、そこら辺がはっきりしません。
大きい企業に期待したいのですけどね。

中川
ドイツだと、シーメンスやSAPのような企業が出てきて音頭をとっていますが、日本の場合ではそのような旗振り役が出てきにくいので、その辺りの動きが遅いのでしょうか。

松田
ドイツの場合、官と学がしっかり組み合って企業との糊の役割を果たしています。
日本だとその役目をどこが果たせばいいのか、どこかの工業会ではないでしょうし、経団連もちょっと違うのでしょうね。

本来なら日本能率協会がグループとして総力を挙げて支援するのが筋かなとも思います。

もっとも、今のままで行くなら、大企業が自社の系列でワンスタンダードでデジタル化を推進するのは可能でしょうから、業種別にはうまくいくところも出てくると期待したいです。

ドイツの取り組みを見ていると、インダストリー4.0の中に、ホワイトカラーやブルーカラーの人たちを潤沢に吸収する仕掛けもしています。

日本は、安い労働力を求めて海外へ出ていくことを安易にやってしまいました。
国内に産業を残すという強い意思や姿勢が、ドイツに比べると弱いように見受けられます。

日本企業の脅威になるというよりは、日本にとっての脅威ですね。
ドイツは確実にそうなってきます。

アメリカは移民の国ですから、放っておいても人口ピラミッドが安定しています。
メキシコ辺りからもどんどん人が入ってきます。
他のいろんな国からも移民がやってきます。

ああいう多民族で多宗教の国は、新しいことへの取り組みが非常に斬新になると思いますから、アメリカで成功すると、世界でも通用しやすくなるでしょう。

いろんな人種が実際に使ってみて良いとなったものだけが、成功するからです。

そう考えたら、日本の産業育成の仕組み自体に根本的なハンディがあるような気もしてきます。

アメリカはパックス・アメリカーナみたいな考え方で、アメリカ発で文化を広めていこうというようなものが根底にあるようにも見えますので、そのような動きはなかなか止まらないのではないでしょうか。

ドイツは国内を大切にし、人を大切にしてものづくりを守ろうとしています。

それに対し、言い過ぎかもしれませんが、日本は自分(自社)だけが儲かればいいという感覚で、どんどん外へ出て行って国内を空洞化してきているようにも見えます。
こういうことを考えたら、音頭をとるところがどうもなさそうに思えてきます。

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