ドイツ合宿特別インタビューその5|インダストリー4.0は日本にとって脅威となりうるか?

ドイツの特徴は、中小企業をネットの中に組み込み、それを大企業が使っていくという共存共栄モデルを築くことにありそうです。


JMI生産・開発マネジメントコースの海外合宿にてファシリテータを務められた
JMAコンサルティングの松田将寿さん(経営コンサルティングカンパニー 経営構造転換センター
センター長 シニア・コンサルタント)から
ドイツ視察について感じたことをお話しいただきました。

日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)

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日本の製造業がこれから取り組むべきことは何か?

中川
このドイツ視察を終え、インダストリー4.0はどのような活動だと松田さんはお考えになりましたか。

松田
製造業が今、デジタル化するに当たり、大きく分けて2つの流れがあると思います。

1つはドイツのようなインダストリー4.0です。
もう1つはアメリカがやっているビッグデータを中核においたアプローチ、最近ではサービタゼイションなど言われているものです。

アメリカの方は、作ったあとの製品がお客さんの中でどう使われ、システムとしてどう機能し、どのようなパフォーマンスを発揮するのかを中心に据えて考えているように見えます。

だから、お客さんのところでうまく機能させるには、自分たちがどんなものづくりをし、どうサポートすればいいのかというところに知恵を絞っているのではないかと思います。

要するに、エンドユーザーの使い勝手のところからデジタル化を推進していると、
私は受け止めています。

言葉を換えれば、デジタルを1つのアプリケーション、もしくはデータ解析として使い、どうお客さんの使い方の質を上げるかに注目しているのがアメリカのやり方ではないでしょうか?

これに対し、ドイツは生産インフラの高度化にインダストリー4.0を組み込んで使おうとしていると思えます。

今お話した生産インフラですが、1つの企業内に限定されたクローズドのインフラではなく、ドイツという1つの産業体を作り上げるために全部をつなげ、インフラを整備しようという考えが非常に強く感じられます。

だから、ドイツの特徴は、中小企業をネットの中に組み込み、それを大企業が使っていくという共存共栄モデルを築くことにありそうです。
もっとも、新しい生産インフラとしてデファクトとして規格化、海外へ売っていくという狙いもあるでしょうが。

中川
インダストリー4.0が、日本の製造業に脅威となるとお考えになりますか。

松田
インダストリー4.0が脅威になるというよりも、デジタル情報やインターネットを製造業にどう生かすかという点で脅威になるでしょう。

日本が遅れているかというと、コマツのようにITを活用して先進的な取り組みをしている企業もあります。

しかし、個々の企業としては強いが、産業体として見たらどうなのか、ここが疑問です。
日本はすり合わせ文化があり、その延長線上に系列化が存在しているように見えます。

実際、同じようなシステムと改善マインドで取引先と事業を進めてきているところが多いと思われます。

そういう部分も大切で、残さないといけないところもあると思いますが、デジタルで全部つなげて産官学で取り組むようなダイナミックな動きはまだ弱いように思えます。

日本でも「インダストリアル・バリューチェーン・イニシアチブ」という組織がやっとでき、企業がゆるゆると連携を始めました。
めちゃくちゃスピードが速いのがデジタルの特徴ですが、それに対し、こんな緩やかな取り組みで果たして追いつけるのか、甚だ疑問に思います。

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