ドイツ合宿特別インタビューその8|今後、研修に参加してほしい人材とは?

逆もしかりで、企画系の人が「製造だから関係ない」というのではなく、
ものづくりを理解したうえで、企画、戦略、事業を考えてほしいと思います。


JMI生産・開発マネジメントコースの海外合宿にてファシリテータを務められた
JMAコンサルティングの松田将寿さん(経営コンサルティングカンパニー 経営構造転換センター
センター長 シニア・コンサルタント)から
ドイツ視察について感じたことをお話しいただきました。

日本能率協会の中川雅志がインタビューいたします。(以下敬称略、役職当時)

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今後、研修に参加してほしい人材とは?

中川
今回は24人の受講者とともに、一週間視察していただきました。
受講生との話の中で印象に残った点はありましたか。

松田
参加したみなさんが非常に勉強熱心で優秀な方々だと思いました。
視察に当たり、いくつか注意点を申し上げましたが、その必要がなかったくらいに真摯で、ドイツの企業から学ぶべきところを学んでいこうとする姿勢をすごく感じました。

学ぶ姿勢がきちんとできていたのが大きいですね。
工場や拠点に出かけてその場で何かを見つけようとしても、多分何も見つけられないでしょう。

視察する前、自分なりに企業のあり方やものづくりのあり方をイメージしておいて初めて、学ぶべきものが出てくるのではないかと思います。

今回の参加者には、自分なりの会社観、事業観、ものづくり観、工場観を持った方がそろっていたのでしょう。

中川
今回は、ドイツ視察前にも準備期間を設け、事前質問等も考えていただいてから視察へ向かいました。

松田
最初は日本人らしくモジモジするのではないかと思い、私が先陣を切って質問させていただいていました。
でも、その心配は無用で、みなさんが熱心に質問を浴びせ、あちらが困っていたほどです。

遠慮は日本人の美徳かもしれませんが、いい意味でそういう人はいませんでした。
こういう方々が会社の中核になり、事業を引っ張っていただいたら、日本企業もこれから期待を持てると思いました。

見学のとき、日本語通訳コースと英語ダイレクトコースに分かれていましたが、意外と英語ダイレクトコースの人数が多かったです。

(※事務局注:工場見学では2チームに分かれ、1チームは英語で解説してもらい、1チームはドイツ語での解説を日本語に通訳しながら進めました)

日本企業のグローバル化にかける本気度が、人材を通じて確認できた気がしました。

これは非常に安心できたポイントです。
私なんて大した英語もできないのに、みなさんは英語できちっと質問していました。
非常に頼もしかったです。

中川
受講生のアンケートでも「英語チームはちょっと厳しかったけど、自分の実力向上のために頑張った」と書かれている方がいました。

松田
非常に心強い意識付けだと思います。

中川
最後の質問になりますが、JMIの研修に今回1週間同行していただきました。
このプログラムをどのような方に勧めたいですか。

松田
これにはぜひ、申し上げたいことがあります。

今、参加している方々は、多くがものづくりに従事されています。

そういう方々にも引き続き参加していただきたいのですが、やはりまだ少ないと感じたのが、経営企画や経営戦略など事業を考える側の人たちです。

製造業はやはり、戦略を考えるうえで、ものづくりに対する理解があることが前提になってきます。
今後はぜひ、企画系の方にも多数参加してほしいと考えています。

ある重工業などは技術、営業、製造の3つで社長を回しているということでした。
こういう形のようにバランスよくしていくことが製造業では必要ではないでしょうか?

それと同様に、この視察研修にもバリバリの技術屋、営業や企画が分かる文系の方、現場を知っている人をそろえ、講師の方から話を聞くといいと思います。

お互いに同じものを見て、それぞれの立場から議論してみても切磋琢磨になります。
そんな場がもっとできたら、このコースはさらに良くなると思いますよ。

中川
最近は生産技術系の方が参加する割合が増えつつあります。

松田
それはそれで良いことだとは思います。
やはり技術の日本なのだから、技術系の方にマーケティングとか他の部門を見てもらうのもいいことです。

逆もしかりで、企画系の人が「製造だから関係ない」というのではなく、ものづくりを理解したうえで、企画、戦略、事業を考えてほしいと思います。

中川
非常に参考になるお話をしていただけました。
どうもありがとうございました。

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